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■内定者フォロー ~無名中小が超人気大手に“ほぼ”競り勝った!~

採用

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◎ごめんなさい、でも使えます

タイトルを見て来てくださった皆様。タイトルの“ほぼ”の文字を見落としておられたら、大変申し訳ございません。この“ほぼ”により、「惜しくも敗れたけど」という感じが伝わっていたら幸いです。ただ、新卒を採用している、学生からの知名度のない全ての中小企業のみなさんに、大いに参考にしていただける内容だと思います。大手人気企業に内定者を奪われたご経験があれば尚更です。今回は、今年実際にあったA社の事例をお話しします。

◎採用担当だけですべてやろうとしない

中堅専門商社A社の今年の採用目標は10数名。選考フローは、初回接点から内定出しまでをおよそ2週間でやりきるスピード設計。具体的には、一次面接(集団)、適性検査、最終面接(個別)、内定出しという流れです。内定出しまでをスピーディにおこなうことは、大手企業と戦う上で有効な手段となります。説明会はおこなわず、一次面接の最初の時間を使ってコンパクトにおこないました。一次面接への学生動員は紹介エージェントを使います。紹介エージェントを使う理由は、A社の採用担当部門のマンパワーが足りなかったためです。どういうことかと言いますと、A社は専任の採用担当者がおらず、全員が他の業務を掛け持ちしていたため、限られたパワーを選考とアセスメントに集中させ、他の必要な機能は社内協力や外部アウトソースでまかなうことにしたのです。内定者フォローの観点で言えば、採用担当者だけで手厚く小回りの利いたフォローをおこなうことは難しい状況にありました。実はこの紹介エージェント、上手く連係すれば強力な内定者フォローをおこなうことができます。今回A社では、採用担当者、紹介エージェント、現場社員の3者が連係して大変有効に機能しました。

◎フォローは最初の接点から始まっている

数年前までは、内定者フォローは内定を出してからおこなうもの、という意識の会社が多かったように思います。しかしここ最近は、内定出しの前からおこなっている会社が増えました。しかしもっと早い時期、出会いのときから内定者フォローを意識している会社はまだ少ないのではないでしょうか。しかし考えてみてください。理想は、内定を出したその場で承諾、その場で就活終了のはずです。言い換えれば、承諾までの時間が短く、承諾の意思が固いことが重要と言うことです。これが実現できれば内定者フォローは必要ありません。少なくとも承諾促進を目的とした「守りの内定者フォロー」は、ですね。やるとしても早期戦力化を目的とした「攻めの内定者フォロー」だけで構成できます。ということは、選考工程は並行して動機形成の工程でもあることが望ましい、ということになります。前置きが長くなりましたが、A社の場合は最初の接点(説明会はおこなっていなかったため一次面接の場になります)までに、紹介エージェントが候補者選定と彼らに対する会社説明をやってくれていました。つまり動員された学生は、ある程度A社に対し興味や期待を持った状態で一次面接の場(社員との初回接点)に臨むことになります。これによって面接の場では最初から互いを好意的に見ることができ、有益なコミュニケーションが生まれやすくなります。これは初回接点を迎えるに当たって非常に重要なことです。一方で、紹介エージェントからは学生の志望度や他社選考状況などを随時聞き出すようにします。これによって、発生するであろう課題を予見することができ、事後の対応策ではなく事前の予防策を講じることができます。これがうまく機能すると学生とのコミュニケーションを優位に進めることができます。紹介エージェントを使わない一般的な方法では、自社でここまでやるのは難しいかもしれません。しかし、刻々と変化していく学生の状況をできるだけ正確に把握しておくこと、これが優位なコミュニケーション、ひいては内定承諾への道へと直結していると言えます。A社では、超人気の大手不動産会社M社を並行して受けていた学生Yさんについて、紹介エージェントと綿密に連絡を取り合い、選考状況と志望度をウォッチしながら、いつどのようなコミュニケーションの場をつくるべきか考え実行していきました。その結果、Yさんの志望する企業はA社とM社の二択に絞られました。そして先にA社が内定を出し、その後ついに「Yさんは、M社から内定が出てもA社に行こうと思っている」という情報が入ります。綿密なフォローにより、無名(失礼!)の中堅企業が超人気の大手企業に競り勝つという歴史的快挙!とも言える成果が見えてきました。

◎親までフォローする時代

Yさんは見事にM社の内定を勝ち取ります。ところが・・・想定外のことが発生して、彼女はA社の内定を辞退しM社を選ぶことに。それは親の反対でした。正確に言うと反対ではなく懇願でした。ご家族で不動産業を営んでいらしたYさんは、父親から、ゆくゆくはその会社を娘であるYさんとやっていきたいと考えている、そのためにも社会人デビューはその下地となる経験を積める不動産会社に行ってほしい、と言われたのです。この言葉をきいてYさんの心はグラッと揺らいでしまったというわけです。最近では親向けのフォローツール(パンフ、動画メッセージ等)をつくる会社が増えてきました。就活を親に相談する学生は増加する傾向にあり、承諾先の決定要因として親の意向が大きな要素を占めるようになって来ています。A社は最後の最後に想定外のできごとによってM社に逆転されてしまいましたが、少なくとも学生との初期接点からフォローを実行することの有効性を示していると思います。選考の後半戦で親を対象にしたフォローまで組み入れればさらに有効なものになるでしょう。しかし、採用担当者の限られたリソースの中ですべてをやりきるのは難しいわけですから、社内外を問わず周囲の力を借り、うまく連係しながらフォローをおこないましょう。いかがだったでしょうか。知名度や規模ではかなわない無名の中小企業でも、人気の大手企業と渡り合う方法があるということが少しでも伝わったら幸いです。

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辻隆斗

取締役 クライアントパートナー

前職は人事を担当。会社全体の仕組みから社員一人ひとりのケアまで、幅広い視点から会社や組織の活性化に貢献します。既存の概念にとらわれることなく、常に柔軟に考えることを心がけています。趣味は料理。食べるのも作るのも大好き!

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