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求職者のメリットになるかどうか分からないけど、伝えたくてたまらないことがある採用っていいですよね。

採用

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●困った。打ち出せることがない。

他社には言えない自社だけの魅力を伝えること。他社との差別化ポイントを発見し、極大化して表現すること。それが求人広告や採用コンセプトをつくる上でのセオリーです。でも正直な話、いつもいつもそれができるかというと、そんなこともありません。

業界内、どの会社もやっていることが似通っていて、明らかな違いを見つけることが難しい。そういうケースはよくあることです。また、大企業でもベンチャー企業でもない中堅企業になるほど、採用上エッジを効かせた打ち出しが見つかりにくかったりします。そんな時はどうすればいいんでしょうか。

●とにかく言いたいことを言ってしまえ!

ひとつあるのが、「その会社が本当に言いたいことを言う」ということ。求職者にとってのメリットや魅力になるかどうかはいったん無視して、この会社が伝えたくてたまらないことを、どストレートに言ってしまうというやり方です。

相手の気持ちに寄り添って思いをつづった優しいラブレターも心を打ちますが、「おれはこういう人間だ!こういうことをしたいんだ!だから一緒になってくれ!」とグイグイ迫られるのもまた、たまらなくないですか?(最近はそういうのって好かれないんですかね、どうなんですかね)そんな事例をひとつ紹介します。

GMOアドパートナーズ様の新卒採用のご支援についてです。大手強豪がひしめき、勢いのあるベンチャーが次々と登場するインターネット広告業界では中堅に位置する会社さんです。業界内、どの会社もビジネスモデルはすごく似ている。よく調べてみると個社ごとに特色はあるが、その違いは細かすぎて学生には伝わらない。ITやアドテクノロジーの話も難しくてややこしい。じゃあ何を伝えればいいんだ?

●「No.1です」ではなく「No.1になりたい」で、どうだ!

悩んだあげく発見したのが、「No.1のサービスをつくりたい」というGMOアドパートナーズグループの思いでした。「No.1サービスをつくる」というのは、親会社であるGMOインターネットグループ全体で共通の理念であり、グループ各社それぞれ何かしらの業界No.1サービスを持っていました。ところがGMOアドパートナーズだけ、それがない。つまり「No.1サービスをつくる」ということは、GMOアドパートナーズにとって悲願だったわけです。

じゃあ採用シーンで伝えるべきことは何か。「本気で一緒にNo.1サービスをつくれる仲間がほしい」ということ以外にないだろう。ある意味これが採用の本質だ。「No.1になりたい」ということが学生にとってメリットになるかどうかは分からない(「No.1です」なら明らかなメリットですが)。でも、これが言いたいんだからしょうがいない。というか、これに共感してもらわなきゃ採用しても意味がない。もう自分たちの思いを伝えて、あとはこの指止まれだ!そんな気持ちで採用コンセプトをつくりました。

●学生以上に、既存社員に届いた採用コンセプト。

「人生で一度くらい、日本一になってみないか。」
「まだ、日本一になったことのないあなたへ。
私たちも、まだありません。でも、あくまで、まだ、です。」
「日本一の会社に入るより、日本一の会社をつくろう。」
「『日本一?無理でしょ?』そう笑うヤツをいつか、笑い返してやろう。」
「先輩。今日の仕事は、日本何位でしたか?」
「何となく散歩してたら、富士山の頂上に到達してた。
そんな人、いるわけない。だから、本気でめざそう。」
「一度、日本一になったら二度、三度、何度でもめざしてやろう。」

「No.1採用宣言」と題して、上記のような会社の思いをストレートにひたすら畳み掛けるように投げかけていく採用広報を展開しました。そしたら伝わった。今まではほとんどいなかった「日本一に挑みたい」と面接で語る学生が増え、採用の質もぐんと上がったそうです。何より既存社員に響いた。「No.1になろう」ともう一度、ファイティングポーズを取るきっかけになった、と聞きます。僕自身も「学生以上に既存社員さんたちに刺さり、一体感のある採用になったらいいな」と考えていたので、本当によかったと思っています。

●夢を語れる、かっこいい大人でありたいものですね。

近頃、「学生に寄り添う」というよりはワークライフバランスや福利厚生ばかりを打ち出して「学生に迎合」しすぎているんじゃないかと思える採用が多いように、個人的には感じています。でも、それで自社を成長させる人が本当に採れるんだろうか。苦楽をもとにしてくれる仲間が来てくれるんだろうか。お客様のような社員ばかりが集まってしまうんじゃないか。そんな採用にはしたくないですよね。

きちんと夢を語れる、かっこいい大人に若者はついてくる。そう信じたい。若者におもねってばかりの大人じゃ、情けないじゃないですか。共感してもらえるかわからない自分の夢を語るのは照れるし、恥ずかしいものですが、ここぞという時はやっぱり言わないとダメだよね。大人だもんね。というお話でした。

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内田直樹

コピーライター/ディレクター

じっくりとヒアリングを繰り返し、課題発見、企画提案から取り組む「対話型モノづくり」を信条としています。クリエイターである前に、信頼できる相談相手でありたい。最近始めた野球では、長打が打てるようになりたいとバッティングセンターに通う日々です。