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必要なのはリーダー型人材、だけ?

採用

画像(林田8月)「貴社は人材に何を求めますか?」
「貴社の育成課題は何ですか?」
いわゆる組織が構成員に期待する人材要件=志向・能力・価値観に関する質問ですが、これに対する回答は、主体の組織特性や事業特性、成長ステージ、職種、或いは採用担当者や育成担当者、経営者のビジョンなどにより様々です。
そうした中でも多く挙げられるもののひとつに「リーダーシップ」があることは想像に難くないと思います。

~「リーダーシップ」とは?~

採用や育成の場面においても注目されることが多いこの「リーダーシップ」、果たしてどのような能力なのでしょうか?
ひとつ言えることは、リーダーシップは単純能力ではなく複合能力である、ということです。
即ち、様々な要素能力が有機的に機能することでリーダーシップは形成、発揮されるものと考えられます。
その要素能力は、例えば「ビジョンを明示する力」や「率先垂範する力」、「組織を整える力」、「エンパワーメントする力」などが考えられますが、これらは必ずしも絶対解ではありません。
なぜならこのリーダーシップそのものも、組織特性や事業特性、成長ステージ、職種、或いは採用担当者や育成担当者、経営者のビジョンなどによりその在り方が変わるためです。もっと言えば、同一組織においても事業部が異なったり、成長ステージが変わったり、経営者が変わることで、その在り方も変わる可能性が高いのです。
よって、人材要件として「リーダーシップ」を掲げる組織も、「自分たちが必要とするリーダーシップ」を構成する要素能力を丹念に分解し明確化しておくこと、そしてその内容を定期的にメンテナンスしていくことが肝要です。
しかしどのような形のリーダーシップであったとしても、すべての構成員にそれを習得させることは、残念ながら大変に難儀であると言わざるを得ません。
と言うのも、リーダーシップは「(経験や年数によって)変わりにくい能力」とされているためです。
「よく「人材を育てる」と言うが、リーダーになる人材は簡単に育てられるものではない。」
と大前研一氏も述べています。
では、人材要件にリーダーシップを掲げる組織はどのように対処すれば良いのでしょうか?

~変わりにくい能力こそ採用基準に~

変わりにくい能力を、採用後に習得させるには膨大な時間とコストが必要となります。
益々の経営スピードが求められる昨今、なかなかその余裕は無いのが多くの組織の本音でしょう。
であれば、変わりにくい能力は採用時点で見立てる以上の対策は無いと言えます。
そのためには先述の通り、自らの組織が必要とするリーダーシップの在り方、すなわち要素能力を分解、明確化して、それを採用基準として採用に関わるすべてのメンバーの共通言語にする必要があります。
ここで配慮する必要があるのは、果たしてその採用基準に適う応募者(応募数)を今の自分たちはどの程度見込むことができるのか?という点です。
それは採用力のレベルや、対象が新卒か経験者かによっても期待値が大きく異なってくることは明らかです。
そこで、自組織の現時点の採用力を鑑みて、保有能力として期待することによるハードルが相当に高いと客観的に判断される場合は、そのリーダーシップの要素能力を採用後に習得できそうな素質や志向を有しているか、という視点で採用基準をチューニングしていくことが重要です。
しかし、いかに素質や志向に着目した、ある意味ポテンシャルに期待した基準にチューニングをして採用活動に臨んだとしても、その基準を満たすリーダー人材だけで採用目標を達成することは決して容易ではありません。
特に採用力がまだ確立できていない組織にとって現実は一層その厳しさを増します。
このような場合、他にどのような方策が考えられるでしょうか?

~人材モデルを分散化する~

組織とは本来、様々な特性を持つ人材やリソースの適正配置により構成されます。
自組織の人材を類型化したとしても、たった一つの人材モデルに集約されることはレアケースと言えるのではないでしょうか。
全員が自律自走する組織を作りたいというようなケースでは、すべての構成員に一定のリーダーシップを期待することになるかもしれませんが、実際のところそのリーダーシップの期待値はレイヤーやポジションによって一様ではないと思われます。
一方、組織とはリーダーとメンバー(フォロワー)それぞれが存在、機能してこその集合体であることも鑑みれば、注目したいキーワードとして「メンバーシップ」と「チームシップ」が浮かび上がってきます。その定義例をご紹介します。

■メンバーシップ

組織の構成員が、自身の役割を果たすことで全体に貢献すること、またその力。自分の仕事を確実に遂行する、他の構成員に協力する、自発的に役割を形成するなどの行動が挙げられる。

■チームシップ

組織内の地位や役割に関係なく、自分以外の構成員を理解し尊重しながらチームとしての成果の為に成長し続けること、またその力。構成員間の相互尊重や構成員とチームの相互成長に着目している点が特徴。

先のリーダーシップ同様、このメンバーシップやチームシップの定義や要素能力も組織により異なる点は同様であるため、本記事においては簡素な定義例の紹介と解説に留めますが、何れか若しくは何れも構成員に期待したいと思われる組織が多いのではないでしょうか。
繰り返しとなりますが、組織とはリーダーとメンバー(フォロワー)それぞれが存在、機能してこその集合体です。
自組織の人材モデルを一つに絞り込まなければならない理由はどこにもなく、むしろ画一化することの弊害こそ懸念されます。
ひとつの組織に複数の人材モデルが存在することがむしろ常態と捉え、いま一度自らの組織の人材モデル見直しとメンテナンスを検討してみてはいかがでしょうか。
その際、今の組織に必要な人材モデルだけではなく、「5年後、10年後はこのような組織でありたい」というビジョンを描き、そのために必要な人材モデルの分散的な言語化を念頭に置くこともポイントであると言えるでしょう。

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林田宏基

クライアントパートナー

「何が目的か、何が手段か」に拘ります。顧客以上に顧客好き、はもう治りません。論理派気取りで情緒的、寂しがりやの一人旅、早起き苦手な山登り、真面目な顔してヘヴィメタル、強くもないのにお酒好き。典型的な天邪鬼ですが、実は褒められて伸びるタイプです笑